ドリアン・グレイの肖像最終更新日: 2003/10/14 |
「ドリアン・グレイの肖像」
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よく文庫本の巻末に載っている他の本の紹介で見かけたことがある。 だから、そういう小説が存在するのは知ってるんだけど、読んだことはなかったなあ。 eS!Booksで注文。 [2003/08/26] | ||||||||
セブンイレブンに到着したんで取りに行った。 この訳者さんの名前はシェークスピアの訳本でも見たことあるなあ。 「つねあり→恒存」は一発変換できた。 たまーにスゴイよね、MS−IME。 [2003/09/01] | ||||||||
「恒存」じゃなくて「恆存」ね。 変換できてねーじゃん。 誉めるんじゃなかった(笑) [2003/09/02] | ||||||||
OSの基礎とか勉強してると、ターンアラウンドタイム (turn-around time)って言葉が出てくる。 定義は“ジョブを計算機システムに投入してから完了までの時間”てとこ。 ここでいうジョブ (job)ってのは“データ+それを処理するプログラム”と思ってりゃ大体間違いない。 んで複数のジョブがあるときには、それらをどういう順番で実行するかによって、 平均のターンアラウンドタイムは違ってくる。 もちろん、純粋にジョブにかかる時間はどういう順番だろーが同じに決まってるんだけど、 待ち時間は違ってくるし、ターンアラウンドタイムはその待ち時間込みなんだよね。
いきなり結論をゆーと、平均ターンアラウンドタイムが一番短くなるのは、
所要時間が短いジョブから順番に処理していった場合でふ。 これ↓は悪い例のタイムチャート。 Job-AとBとCの3つを同時に計算機システムに投入したとして、 黄色の部分がジョブの純粋な処理時間で、Job-Aは10、Job-BとCは2という設定。 グレイの部分は待ち時間なんだけど、長いJob-Aを先にやっちまってるせいで、 他のジョブの待ち時間が長くなっちまってる。 各ジョブのターンアラウンドタイムは、Job-Aが10、Job-Bが12、Job-Cが14で、 平均は12てことになる。
この↓タイムチャートは良い例。 ターンアラウンドタイムは、Job-Aが14、Job-Bが2、Job-Cが4で、平均は6.67。 平均ターンアラウンドタイムが悪い例のなんと半分ぐらいにまで縮まってる。
どっちの場合も、3つのジョブ全部が完了するまでの時間は14で同じなんだけどね、 下の例のほうが見かけ上の平均所要時間が短い。 「見かけ上」って書くとなんだか実際にはありがたみがなさそーだけど、 終わってるジョブの数が多いほうが嬉しいよーな場合っての、結構あるんだよね。 だって、ジョブが終わるまでは人間様が待たされるわけだから。 ターンアラウンドタイムが短いってことは、人間様の待ち時間も短いってこと。 これと同じ理屈で、 見かけ上の平均読了時間を短くして、「リーグ・オブ・レジェンド」 の上映までにできるだけたくさんの本を読み終わっておくためには、 短い本から順に読んでいけばいいってことになる。
つまり、「トム・ソーヤーの探偵」と
「ジーキル博士とハイド氏」の次に読むべきは、
それらの次にページ数が少ない「ドリアン・グレイの肖像」ってことね。 えーっといま第二章の途中まで。 ページ数にして1割ぐらい? [2003/09/21] | ||||||||
いま第四章の途中。 まだドリアン・グレイはあんまし堕落してない。 ヘンリー・ウォットン卿という人が、やっぱしまわりから「ハリー」と呼ばれてる。 「ジーキル博士とハイド氏」でもヘンリー・ジーキル博士が 「ハリー」って呼ばれてたけな。 でもなー、ハリー・キャラハン刑事の本名がヘンリーだったりしたらイヤだなー。 「ダーティ・ヘンリー」って、なんだか締まらないよ。 [2003/09/23] | ||||||||
11章の最初のあたりまで読んだ。 みんなしてセリフが長い。 どいつもこいつも放っておくと2ページぐらい勝手にしゃべってる。 中でもヘンリー卿はいけすかない。 話の流れとしては、ちょうどその直前の10章で、ドリアンの堕落が決定的になったとこ。
ヘンリー卿の感化で人生をもっと楽しまなきゃと思ったり この強引な展開はなんなんだろうなあ。 で、11章の冒頭でいきなり「それから数年」とかいってる。 その間にずいぶん堕落したらしい。 [2003/10/05] | ||||||||
11章の説明によると、どうもドリアンは極悪人になったらしいんだけど、 どんな悪事を働いたのかについての具体的な説明が足りない。 11章では香料・宝石・織物などの説明が延々と続いてる。 ここを読む限りでは単なる多趣味な有閑貴族なんだよなあ。 要するに“趣味の人を貫徹するために、人情的な事柄の優先順位が落ちた”ってことかね。
で、悪徳の道をつっぱしるドリアン、他人を破滅させたり悪評を立てられたりしつつ、
最後のほうではビミョーに改心したようで実は大した改心もせず終了。
まあ、いろいろ理屈をこねてもダメなもんはダメってことでしょー。
自分の理屈は自分にしか通用しないし、理屈に合わせて現実が変わるわけじゃないし。 手塚治虫「ブラックジャック」に「人面瘡」ってエピソードがあった。 これに出てくる患者は、悪事をたくらむと顔が醜く脹れあがる病気を持ってて、 まあ最後は予想通り死ぬんだけど。 このエピソードを目一杯文学的に詳細にやったのが「ドリアン・グレイ」って感じ。 こんな感想でいいのかしらん(笑) [2003/10/14] | ||||||||
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