「新宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち」

【前口上】

これは、Yahoo!掲示板の「『新宇宙戦艦ヤマト』アニメ化を考える」トピ

もし自分が「新ヤマト」第1話の続きを書くとしたらどうなるか
という遊びをやってて書いたプロットです。
第1話の続きなので第2話以降は無視。
「新ヤマト」の設定を踏まえているので「さらば」「ヤマト2」以降もなかったことになってまふ。

ただし、部分的に「新ヤマト」第2話以降や昔のヤマトシリーズ作品をなぞってるとゆーかパクってとこアリ。


【第1話のおさらい】

あらすじ

時に西暦3199年。
1000年前、往復29万6千光年の旅と対ガミラス戦勝利という二つの偉業を成し遂げた「宇宙戦艦ヤマト」は、すでに失われた・・・と思われていた。
ヤマトの乗組員たちの子孫は、その名前をストレートに受け継ぎ、地球連邦軍の各処に勤務して、地球の発展の一翼を担っていた。

そんな中、
大マゼランと太陽系の中間点付近を航行中の輸送船団がほぼ全滅するという事件が発生した。唯一生き残ったのが護衛艦「雪風」の副長、古代進32世。

地球連邦軍の観測データから、原因は

移動性ブラックホール
であると判断された。

注目のポイント

  • どーみてもガス体にしか見えない(笑)あの移動性ブラックホールの正体は?
  • なぜ古代進32世だけが生き残ったのか?


【で、ここからがオリジナル】

敵はガミラスか

移動性ブラックホールは、急速に成長しながら、まるでそれ自体が意思を持つかのように太陽系への直線コースをとっていた。
その距離、約7万光年。
地球への到達は気の遠くなるような先の話と思われた。

だが、
輸送船団が移動性ブラックホールに遭遇した宙域、つまり大マゼランと太陽系の中間点には

バラン星
がある。この時代、バラン星はすでに地球連邦にとって外宇宙における重要な拠点の一つとなっていた。
# だから輸送船団もその宙域にいたわけ

移動性ブラックホールを放置することは、バラン星という拠点を失うだけでなく、バラン星を中心に展開された地球連邦勢力圏にいる人々の死活問題となる。

しかも、
雪風の持ち帰ったデータを解析したところ、移動性ブラックホールの陰に艦隊が潜んでいたことが判明した。その艦影は、信じられないことに、

千年前に滅んだはずのガミラス艦隊に酷似
していた・・・

ヤマト発進

事態を重く見た地球連邦軍は、移動性ブラックホール調査のための調査隊を組織することを決定した。
一方、雪風の唯一の生き残りである古代進32世は、軍の暗号コードで

宇宙戦艦ヤマトへ集結せよ
という謎のメッセージを受け取った・・・

謎のメッセージに導かれ、今はもう使われていないはずの海底ドックに赴いた古代進32世は、そこで静かに眠る千年前の宇宙戦艦「ヤマト」を発見し、自分と同じように導かれてきた他の乗組員の子孫たちと出合った。
古代進32世は、そのときなぜか奇妙な既視感を抱いた。

ヤマトに揃ったところで、再び彼らが受け取ったメッセージによると・・・

千年前に任務を果たしたヤマトは、有事に備えて「ヤマト保存計画」に基づいて軍のトップシークレットとして保存されてきた。
移動性ブラックホールのそばにいた艦隊は、かつてのガミラスのものに酷似している。これに対抗するにはヤマトしかない。
急ぎ移動性ブラックホールへと向かって調査隊に合流し、バラン星をはじめとする多くの星系を救うことが今回の任務である。

しかしなぜ、かつての乗組員の子孫が集められたのか。
謎は残ったが、こうなっては匿名の指令に従うほかはなく、一同はバラン星へ向かうことになり、かくしてヤマトは発進した。

移動性ブラックホール

先発した調査隊は、移動性ブラックホール手前の宙域で、ガミラスそっくりの敵艦隊から攻撃を受けていた。
ヤマトが到着したときにはすでに壊滅状態だったが、敵艦隊も無傷ではなく、後から現れたヤマトの攻撃を浴びるとやがて撤退した。

ヤマトの救助活動もむなしく、調査隊の生存者を見つけることはできなかったが、回収したデータによると驚くべきことがわかった。移動性ブラックホールとは真っ赤なウソで、実は巨大な腐食性ガス体にすぎなかったのだ。

なぜ、ガス体がブラックホールに見えたのか。
真田32世と相原32世による調査の結果、地球に送られる観測データがバラン星を経由する際にニセモノにすりかえられていることが判明した。

地球はだまされている・・・

反逆者集団・ヤマト

ヤマトがこれに気づいたときはすでに遅かった。
実はヤマトに出された指令も何者かによるニセのもので、公式にはヤマトは無断発進したことにされてしまっていたのだ。
ヤマトと敵艦隊の交戦も、無断行動中のヤマトが敵艦隊に合流して調査隊と交戦したことにすりかえられて地球に報告されていた。
こうして、

ヤマトは裏切り者に仕立て上げられて
しまった。あの伝説のヤマトが裏切った、という心理的な効果も計算されていたのだ。

地球では、軍をあげての大規模なヤマト討伐隊が組織され、バラン星方面に向けて発進した。
この討伐隊とヤマトとの衝突こそ、今回の件を仕組んだ何者かの企みに違いない。情報を操作することによって、地球連邦軍を内部から崩壊させようとしているのだ。
仮にヤマトが逃げても、あのガミラスそっくりの敵艦隊が黙っていないだろう。

バラン星攻略

討伐隊との衝突を避け、汚名を晴らすには、地球からの討伐隊が到着する前にバラン星のデータ中継システムを押さえなくてはならない。
巨大ガス体を回避してバラン星に接近するヤマト。
それを迎えたのは、バラン星に備えられた防衛システム、かつてのガミラス冥王星前線基地をマネて作られた

反射衛星砲
だった。

反射衛星砲は波動砲に比べて射程が長い代わりに威力が劣り()、特に発射地点から離れるほど水中での減衰率が高いことは、かつてのヤマトとガミラス冥王星前線基地との戦いからわかっていた。
冥王星での戦いと同じように海に潜るか?
しかし、バラン星の海はバラノドンをはじめとする現住生物が群生しているため、戦場にすることはできない。

死角のない反射衛星砲の砲撃を受け、傷つくヤマト。
その戦闘の中で、古代進32世は、反射衛星の動きを観測して、反射衛星の照準が合ってから砲撃までにわずかなタイムラグがあることに気づいた。
そこで、そのわずかなタイミングを見計らって反射衛星に向かって主砲を撃ち、反射衛星砲の弾道を逆にたどって砲台を破壊することに成功した。

こうしてヤマトは、バラン星の基地を制圧し、データ中継システムを占拠することに成功した。
次はデータ中継システムを正常化して、討伐隊が来る前に正しいデータを地球に流さなくてはならない。

ガミラス冥王星前線基地司令シュルツのセリフによると 「威力は勝るが射程は劣る」 なんだけど、、、どう見ても逆のよーな気がするので、ここでは逆にしといた。

ヤマト保存計画

基地に降りたヤマトに、ガミラスそっくりの敵艦隊が上空から攻撃を加える。
主砲、副砲、煙突ミサイル、ブラックタイガー隊を使って応戦しつつ、システムを正常化させようとするヤマト。
討伐隊が到着する寸前に、正しいデータを送ることに成功し、裏切り者の汚名を晴らしたヤマトは、討伐隊との挟撃によって敵艦隊を殲滅することに成功した。

バラン星で見つけられたデータから、千年前からの「ヤマト保存計画」を利用して地球連邦政府の転覆を図った人間が軍上層部の中にいることがわかった。
しかしそればかりではなく、「ヤマト保存計画」にはかつての乗組員を保存するためのプログラムが組み込まれていることも同時に判明した。
古代進32世をはじめ、現在のヤマト乗組員は、

かつての乗組員と同じ遺伝情報(マトリクス)を持つクローン
であり、しかも地球生還時までの記憶も催眠学習によって刷り込まれていたのだ。
自己のアイデンティティを喪失した乗組員たちに走る衝撃と動揺。

本当の敵

そこに現れたのが、暗黒星団帝国と名乗る謎の艦隊だった。
実はガミラスそっくりの敵艦隊も彼らのものであり、軍上層部の人間にクーデターをそそのかしたのも彼らの仕業だったのだ。
すでに、これまでの戦闘で傷ついていたヤマトをはじめとする地球艦隊は、彼らの敵ではないように思われた。
しかも、ここで地球艦隊が敗れれば、地球にはもうわずかな護衛艦隊しか残されていないのだ。

しかし、真田32世が

こんなこともあろうかと
腐食ガス体に誘導装置を仕掛けておいたのだ。ガス体を引き寄せて、ガス体と地球艦隊とで暗黒星団帝国艦隊を挟撃し、最後は波動砲の一斉射撃でガス体もろとも殲滅した。

エピローグ

これで全てが終わったわけではなかった。
ついに正体のはっきりしなかった暗黒星団帝国は、いまだにどこかで地球を狙う牙を研ぎ澄ましていた。
そしてヤマト乗組員たちは、先祖の記憶を超えるほどの戦いの中でしか自己のアイデンティティを確立することができないことを悟って、次の戦いに備えるのだった。

(完)

戻る | このサイトのポリシー