新春LOVEストーリーズ最終更新日: 2003/02/23 |
■ まえがき ■「新春LOVEストーリーズ」というのは、2002年のお正月に放送されたドラマ特番で、3つのドラマのオムニバスでした。 主役はモーニング娘。のみなさんがた。 んで、当時書いた感想がこれ↓ ちょいいじったとこもあるけど大体そのまんま。 |
■ 伊豆の踊子 ■原作も過去の映像作品も知らないんだけど、本来は書生さん視点の話なんだよね? 今回のドラマはどっちかつーと踊り子側の視点で、旅芸人生活の悲哀を描いた感じ。 主要なイベントは二つ:
なっちゃんと別れるシーン、保田さんは登場から退場までよかった。 後藤もよかったな。弟が肺炎で死んだことは胸に秘めて、今生の別れであることも 言葉の上では認めてなくて、なっちゃんの姿が見えなくまではどーにか涙もこらえてる。 子供ながらにいろんなこと考えてウソつきまくってるわけでふ。 んでなっちゃんの姿が見えなくなった途端に堰を切ったように泣き出す。 そこで表情のアップ。ここんとこは子供っぽさ全開。泣く子には勝てませんな。 書生さんイベントのほうはちょい不満。 踊り子と書生さんがひかれあう理由は「いい人」だけじゃ説明つかないと思うんだけどなあ。 なんか“若い男女がいれば当然恋に落ちるでしょう”みたいで不満。 国分に「違う世界を垣間見ても、その世界に住めるわけじゃない」みたいなセリフがあったけど、違う世界に住むからこそひかれあうとかゆーとこをもっと見せてくれるとよかったかな。 つーことで、書生さんと別れるラストシーンは「ふーん」て感じれした。 もう一つ不満を書くと、旅芸人のダウンな裏話を描く以上、表の派手派手しさももっと描いてほしかった。 光の明るさがあってこそ影の暗さがひきたつわけで。 これに関しては書生さん側の“垣間見る”視点がもっとうまく使えたんじゃないかと思う。 踊り子の魅力もたぶんそーゆー二面性に関係あるわけだしね。 あるときは大人っぽく、あるときは子供らしく、全体的に大好きな感じで。 メリハリがないとタルいです。 辻は予想外によかった、つーかかわいい(笑) 子役だから儲けたってのもあると思うけど、犬と戯れてるシーンが2ヶ所もあって(笑) 旅芸人生活の中のほのぼのした一コマって感じだったなあ。 たぶんスタッフには可愛がられてたんだろね。 ところで、「伊豆汽船のりば」の看板見て、「“ばりの”ってどーゆー意味?」って一瞬思った人、オレ以外にもいるよね (^^; |
■ はいからさんが通る ■短い時間に詰め込みすぎ。 あんなダイジェスト状態じゃ出演者がちょい可哀想だなあ。 オムニバスの一編で尺も短いんで、原作を無理に頭からなぞらなくても、花村紅緒のキャラとかあの時代の雰囲気とかを描けてればOKだと思うけどね。 原作のそのあたりのエピソードを“消化”しようとしたのが問題。 オレ的にはお皿9枚叩き割るエピソードは是非ともやってほしかったんだけど、なんだか義務的に入れときましたみたいな描き方は不満だなあ。 オレだったら例えばね、 伊集院家のじーさんの視点から話を組み立ててみる。 そーすると、花村紅緒が伊集院家にやってくるとこから話が始められるから、短い尺でもキレイにまとまるんじゃないかな。
何十年も連れ添ったカミサンはいまだに初恋を引きずっているらしく、孫の許婚もその初恋関係で決まってしまった。しかも武家だ。 じーさんとしては不愉快至極。 とうとうやってきた許婚の紅緒というのが、とんでもないジャジャ馬。 難癖つけていびり出そうとするけど、宝蔵印流免許皆伝のじーさんにも平気で向かってくる怖いもの知らずで手を焼く。
転換点は、大切な皿を割った女中をじーさんが手打ちにしようとしたとき。
紅緒が残った皿まで叩き割って「自分が引き受けます」と居直ったところで、こいつただのジャジャ馬ではないなという気分になってくる。 最終的には紅緒とじーさんがいいケンカ友だちになって、めでたしめでたし。
問題は、こういう展開だとぜんっぜんラブストーリーじゃない (^^; 伊集院忍はいてもいなくてもどーでもよくなっちまう。 そこで、忍が帝国軍人だという設定を活かそう。 忍はドラマの最初から出征してて不在とゆーことにする。 紅緒が伊集院家に入る以前から紅緒と忍は恋仲になってた、と。 そーすると、 紅緒と忍の恋物語は紅緒の回想シーンとしてどこにでも挿入できる。 本筋と恋愛話とが別軸になるから、無理につなぐ必要がなくなってスッキリ。 ラストシーンは、無事に伊集院家に帰ってきた忍の胸に紅緒が飛び込んで ハッピーエンドっと。 配役は、紅緒の友人たちの出番がなくなるんでそこんとこを変更して、思い切って吉澤を伊集院忍、矢口を女中、新メンバー4人は適当 (^^; 回想シーンの吉澤は後姿のみ(笑) どうせならいっそのことミュージカル仕立てにする。 曲は娘。の出来合いのを使うのもいいかも。 そうじゃないとしても、エンディングはやっぱし、帰ってきた忍(吉澤)メインで「Mr. Moonlight 〜はいからさんバージョン〜」でしめくくる。 なかなかキレイな終わり方だよね。 実際にやろうとすると問題もいろいろあるだろうけど、最大の難関は主役の石川さんの歌唱力だね (^^; 石川のソロパートはナシにしよう (^^;;; |
■ 時をかける少女 ■オレが知ってたのは原作と大林宣彦・原田知世の映画だけ。 どうも今回のドラマは大林版を下敷きにしたっぽいね。 正直、3つの中ではこれが一番見れたんだけど、、、
和子がなぜ一夫に気持ちを寄せるようになるのか、もっとていねいに描いてほしかった。
一応セリフでは説明してたけどね: 化学準備室の謎解きシーンは、逆にもっと短くていい。 ドラマが収束してくるとこなんで、相対的に凝縮させないとダレるよ。 原作じゃ結構長いけど、映像作品で全体の約2割の時間を割くのはどーだろ。 それに、安倍と内田だけであの間をもたせるのは苦しい。
このシーン、なんとなく「原作や大林版でつじつま合わせが苦しくて納得いかなかったとこを解決したる!」とゆー脚本家?の意気込みを感じないでもないけど、結果的には大林版がうまく刈り込んで処理したとこを逆に引き伸ばした感じ。
一夫が3日間の記憶を持たないことにしたせいで、科学準備室のシーンでは説明的なセリフが必要になった上にドラマの連続性も切れちまった。
おまけに「脳細胞が破壊される」って?は?
その割に、タイムパラドックスの説明は省略しちまった。 どーせひっぱるなら、 武者小路実篤「友情」後半の手紙みたいな男女のやりとりでひっぱったほうがおもろかったかも。 ちょいドロドロするけど (^^; 最後のアクセサリーの使い方はなかなか。 でも滞在期間は3日が限度じゃ、あの先を想像するのがつまんねーなあ。 安倍さんは出番が多い割に危なげなくてさすがだったけど、“気分を出してセリフをいえる”レベルで止まってると他の娘。に追いつかれるのは時間の問題なんで、もっと計算して演技できるようになってほしい。 例えば最初の下校シーン、 安倍さんの芝居は時間がとんだことにビビったことしか表現してない。 たぶん台本に沿って感情込めてやってんだろうけど、あそこが恋心の出発点になってるはずなんだから、そういう話全体でのシーンの意味も考えてやってほしいのれす。 まー、そういう演技もしたのに編集でカットされた可能性もあるけど。 |
■ あとがき ■この感想の中で安倍に一番つらくあたってしまったのは、ヒロインだったし一番期待度が高かったからっつーことで。 でもちゃんと「一番見れた」とか「さすが」って書いてるでしょ? 「追いつかれる」とかも書いてるけど、そもそも先を走ってないと「追いつかれる」って現象は起きないわけでね。 ほめてない? (^^;
まーしかし「気分を出してセリフをいえるレベル」ってのは割とぶっちゃけた感想ね。
正直ねー、比較的最近の演技を見ても、この感想はあんまし変わらないんだよなー。
安倍に限らず他の好演娘。さんたちにもいえることだけど、お金を払って映画を見てて、主役の女優さんたちがあんな演技してたら、たぶんオレは本気でムカつくぞ。
TVドラマで脇でやってくなら全然OKです。 まー結局、そんなに気合い入れてTVドラマ見てるオレはなんなの?ってことだよなあ。。。 |
戻る |